- 氷の種
アイスナイン
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微細資源を自在に書き換え、破壊してしまう性質を持つブルーボックス。微細資源文明を崩壊させる銀の弾丸。水族館はこれを封じる目的で設立された研究機関とも言われている。
その元となる物質は、実は異世界からの訪問者によってもたらされた。
- 〈赤の女王〉仮説
あかのじょおうかせつ
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進化に関する仮説の一つ。
「赤の女王」とはルイス・キャロルの小説『鏡の国のアリス』に登場する人物で、彼女が作中で発した
「その場にとどまるためには、
全力で走り続けなければならない」
という台詞から、種・個体・遺伝子が生き残るためには進化し続けなければならないことの比喩として用いられている。
出典「赤の女王仮説 - Wikipedia」
- 水族館
アクアリウム
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正式な名称は「ヨコスカ海洋技術研究所」
妖精機関と海色機関の合同で設立された、実戦的微細資源技術の開発研究所。人類の水際防衛の最後衛。技術者たちの楽園。艦娘の製造・改造や艤装の開発・改修の大元となる技術研究、鹵獲した深海棲艦の解析はすべてここで行われている。
- 悪性変異
あくせいへんい
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艦娘の肉体を構成する微細資源が乱れ、深海棲艦に似た存在へと変えてしまう現象。悪性変異した艦娘は理性を失い、破壊を撒き散らす災厄となる。
変異する条件は2つ。
艦娘の心身がひどく傷つけられること、
そして傷つけられた艦娘が、一つの強い感情を抱くこと。
- 液体記憶媒体
えきたいきおくばいたい
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100年前に発明された、文字通り液体に対して大容量の記録を可能とする技術。これによって人類は、あらゆる情報機器の極小化を実現した。
- はじまりの5隻
オリジナルファイブ
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人類が作り出した海上歩兵・艦娘の中で一番最初に量産体制が確立した5隻の艦娘、吹雪・叢雲・電・五月雨・漣のこと。
- 大規模風力発電農場〈風の家〉
かぜのいえ
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日本列島各地に存在する深海棲艦災害によって打ち捨てられた地域を、国営の大規模な穀倉地帯と風力発電所に変えたものの一つ。東北地方の太平洋沿岸部に位置している。輸送業者の間では「魔女」が住んでいると噂されている。
- 艦娘
かんむす
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舟を監みし少き女、――艦船少女。深海棲艦災害に対応する為に作り出された生体型自律機械の海上歩兵。少女を象った素体に〈船の声〉という記録情報を注ぎ込むことで完成し、個人艦艇兵装・艤装とともに海上を駆け抜ける戦乙女たち。
- 艤装
ぎそう
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艦娘だけが使用することを許された個人艦艇兵装。過日の戦闘艦艇が使用していた火器兵器を象った妖精の加護を受けた武装。艦娘たちは通常、この艤装をアタッチメントの形で着脱し、マニピュレータを介して用いる。
- 霧の艦隊
きりのかんたい
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深海棲艦災害の黎明期に現れた謎の異世界艦体型ヒューマノイドの一派。微細資源文明を遥かに超える圧倒的な兵力によって艦娘・深海棲艦の双方に壊滅的な打撃を与えた後、去った。
- 重力素子
グラヴィティデバイス
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深海棲艦の艦載機から採取されたブルーボックスの代表格。自由自在の重力制御を可能とする技術で、輸送機器などに利用されている。
- 共有の記憶
コモンメモリ
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海から発見された、地球が持つ膨大な記憶。天然資源の所在、地殻・気候変動や星々の運行の記録、生命の秘密に関する手がかり、人類史上の隠された真実が眠っているものと言われているバベルの図書館。
人類はその空き領域を利用して、広大なネットワークを築き上げている。「コモンスペース」はコモンメモリ上で構築された、世界規模の情報交換のインフラストラクチャの一つ。
- 紺碧の会
こんぺきのかい
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退役した元鎮守府指揮官・技師、または艦娘製造や海上輸送といった鎮守府と商業的関係を持つ企業組織、深海棲艦災害の被災支援団体などの合同出資によって設立された財団法人。
- 鳥籠男
ジェイルマン
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国外を本拠地とする非合法の艦娘売買組織〈ジェイルハウス〉の大元締めの男。はじまりの5隻の1隻を〈秘書艦〉としているらしい。
- 高高度飛行船・シトゥルイーユ
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廃艦掃討隊に与えられた空の船着き場。鎮守府にあるものは一通り揃っている。基本的に成層圏から降りてくることはなく、乗組員はグラヴィティデバイスによって自在に空中を移動するエレベーターによって昇降する。
- 深海棲艦
しんかいせいかん
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人類の天敵。妖精の宿敵。艦娘の怨敵。
第二次情報革命後に現れた文明の破壊者。海の底より現れて人類とその被造物を狙って執拗な攻撃を加える埒外の獣。人類文明の水際に甚大な被害をもたらした。深海棲艦の登場により、人類の地球外進出は数百年遅れることになったと言われている。
だが海色機関による海上防衛の安定運営とブルーボックスの発見により、単なる脅威として以外の評価を受けるようになっている。
- 生体艤装
せいたいぎそう
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本来はアタッチメント式で着脱可能な艤装を、生体部品で構築し、艦娘の体内に直接埋め込んだもの。艦娘の飛躍的な性能向上を目的としたものだが、その製造難易度の高さから量産化が見送られ、技術開発は通常の外挿艤装の性能向上方面へシフトした。
その為、海色機関の認可の下で正式採用されているのは、陽炎型駆逐艦の雪風、天津風、時津風と島風型駆逐艦の島風のみである。
- 生体型自律機械
せいたいがたじりつきかい
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艦娘などに代表される、微細資源を素材として製造された自律機械のこと。通常の機械式自律機械よりも高価な維持費がかかる。
- 第二次情報革命
だいにじじょうほうかくめい
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液体記憶媒体の発明と、その後の「共有の記憶」の発見といった人類史上の出来事を称した言葉。
- 鎮守府
ちんじゅふ
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深海棲艦が現れてから程なくして、人類の水際防衛の最前線に設けられた海上防衛施設、及びその運営組織。西は日本列島・ヨコスカ。東は北アメリカ大陸・サンディエゴに、その最初の施設が建造され、太平洋上に発生する深海棲艦からの侵略に対応した。
- TLC
てぃーえるしー
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鎮守府や海色機関などとも繋がりが強い、世界最大の海上輸送企業の一つ。最近では大規模航空輸送計画の実現の為、水族館との技術開発の協力関係を結んでいる。
- 人類未解明物質
ナノマテリアル
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深海棲艦災害の黎明期に現れた「霧の艦隊」を名乗る謎の艦船型ヒューマノイド。彼らが残した「模型」から採取された、微細資源文明を終わらせる妖精殺しの物質。
- 廃艦掃討隊
はいかんそうとうたい
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艦娘の悪性変異が海上ではなく、陸上で発生した場合の甚大な被害に備えて、それを未然に防ぐことを目的とした妖精機関の直属部隊。メンバーは非適性艦娘か、退役艦娘で構成されている。非適性艦娘の調査・追跡・回収・解体の4つの業務を担う。
- 微細資源
フェアリースケイル
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液体記憶媒体技術によって生み出された微小機械群。有機物・無機物を問わず、物質の分子レベルの合成や分解を可能とし、艦娘などに代表される生体型自律機械や、彼らが扱う艤装の類は、すべてこの微細資源の集合体で構築されている。
- 妖精式解析機関
フェアリーエンジン
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二次情報革命により巨大な液体記憶媒体と化した海から、膨大な情報資源を抽出する為に人類が考えだした最も遠回りで、最も確実な手段。幾億年の歴史を語らせ、紡がせるために作り出された、超高度人工知能。
海から汲み上げた情報を抽出・解析・編纂・記録する機構。ただそれだけを、ひたすらに、繰り返し続けるだけの機械。深海棲艦が現れるはるか以前から、その四つの迂遠な作業を繰り返し続け、幾度となくその機能を改良され、拡張され、革新されたその機械は、やがて世界で唯一の、最も偉大なる情報処理能力を持つようになっている。
- 船の声
ふねのこえ
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コモンメモリから抽出される、過日の戦闘艦艇の記録の集積体。
人工知能産業がまだ黎明の頃「フレーム問題」という厄介な課題が、技術者たちの頭を悩ませた。それは、人工知能が物事を『思考』するにあたって、それに関連して起こりうる全ての現象を含めて、無限処理に陥ってしまうというものだ。多くの場合、それは人工知能が「無視してよい事象」を選別できないことから生じていた。
艦娘の祖型となったアンドロイドも当然黎明の時期にこの問題に直面し、そして、 それを解決する手段として採用されたのが、「船の声」だった。艦娘の自我は、ハードウェアとしての肉体に宿る基礎OSに対して、海から抽出された 「船の声」が流し込まれることで形成されている。その艦船の記憶は艦娘にあらゆる経験的知慧を刷り込み、戦場における複雑な取捨選択、「戦術判断」を可能とした。
だが、そこから副次的に発生した艦娘の人格はいわば、二つの魂が混ざり合うことで偶発的に生じるものであり、その乱数を制御する術を未だ人類は持ち合わせていない。
- 深海棲艦由来技術
ブルーボックス
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深海棲艦が人類の技術を模倣する際に、その仕組みを理解するのではなく、出力結果だけを再現することで生み出されてしまった人類未到達の技術。
最たる例は「たこ焼き」と称される深海棲艦の艦載機で、鹵獲して調査した結果、プロペラやジェットエンジンに依らないその飛行は、〈重力制御〉を可能とするブルーボックスによってもたらされているものと判明した。
このブルーボックスの発見以後、深海棲艦は単なる害獣ではなく、貴重な技術的資源の源泉とみなされるようになった。
- 海色機関
みいろきかん
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生体型自律機械の運用管理統括機構。元々は妖精機関の下部組織だったが、世界中で激甚化する深海棲艦災害への包括的な対応を試みる為、各国の艦娘を用いた海上防衛組織が統合され、現在の形に落ち着いた。
妖精機関が研究者の為の学術的互助組織であるならば、海色機関は軍人の為の戦略的提携組織である。その考え方、行動理念は妖精機関とは根本的に異なっている。
妖精機関が艦娘との共生を主眼にその生態を研究し、より豊かな未来を講じることを存在目的とするのに対して、海色機関は艦娘の運用を主眼にその行動を統制し、より確かな現在を保持することがその存在目的である。
- 妖精
ようせい
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艦娘と同じ微細資源で構成された肉体を持つ小人。その正体は、微細資源制御技術の自律管理コンソールである。彼らは無数の微細資源に対して働きかけ、それらを統合し、制御し、操作することで様々な公共活動を人類に成り代わって実現している。
そうした優れた能力を持つ彼らだが、個々に複雑な抽象思考を可能にする程の処理能力は持たされていない為、自我や意志といったものはないものとされている。
- 妖精機関
ようせいきかん
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生体型自律機械の製造保守管理機構。元々は妖精式解析機関を用いたコモンメモリからの情報資産抽出と、その研究を主目的とする学術機関だった。微細資源、妖精式解析機関、妖精、艦娘、艤装、そしてブルーボックスの発見と、人類文明に多くの恩寵をもたらした。
袂を分かたった海色機関の所属員からは、妖精のご託宣の言いなりになる占い師たちと揶揄されることもある。
- 妖精炉
ようせいろ
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周辺の微細な資源を利用し、合成 して、自己複製する性質を持たされている微細資源は、放っておけば少しずつ増えていく。故に、微細資源にはある一定の領域において十分な量が確保されると、自己複製に依る増殖をやめるように安全装置がかけられている。 妖精炉は簡単に言えば、この安全装置を外すものである。
いわば万能の工房。艦娘の建造も、艤装の開発も、この妖精炉なくしては成り立たない。妖精炉は重要な戦略的装置であり、これ を私的に占有・利用することは固く禁じられている。その為、妖精という自律管理コンソールを介してのみ、その制御が認められている。
- 人工島・ヨコスカ
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深海棲艦災害が発生するはるか以前から存在した、妖精機関の観測装置が置かれていた施設。海面上昇や地盤沈下、そして横須賀鎮守府の妖精炉崩壊事件によって一度消失し、その跡地に再建された世界でも有数のメガフロート。
フロートの中心にはヨコスカ海洋技術研究所、水族館がある。
- 過日を告ぐ者
ライカ・チャイルド
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艦娘たちの別称。
過日の戦闘艦艇の記憶を吹き込まれた彼らが、過去の出来事を昔を懐かしむように語り合う様子から、いつしかそう呼ばれるようになった。
- 水面滑走機構
レイノルズ
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艦娘たちがその両足に履いているスケート靴のような装備。ダイラタンシー性質を操作し、液体を固体のように振る舞わせるブルーボックス。これによって艦娘たちはまるでフィギュアスケートのように海面上を自在に滑ることができる。
- 艦娘製造・運用の基本的原則
レギュレーション
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妖精機関が提唱し、海色機関が承認した文字通り艦娘を製造、運用する際に参照されるガイドラインにしてレギュレーション。艦娘に関わるものが「レギュレーション」と口にすれば、多くの場合がこれを指す。
内容は、「赤の女王仮説」に基づいた深海棲艦の学習変異による際限のない軍拡競争を避ける為、その交戦に用いる戦略・戦術や技術に、一定の制限を設けるというもの。深海棲艦の過剰進化による致命的事態を先延ばしにする為の、妖精との約束。